
少子化が進む現代、一人ひとりの子どもの健康と命の重みはますます大きくなっています。私たち大学病院の小児循環器グループは、先天性心疾患や心筋症、不整脈など、子どもの心臓に関わるあらゆる病気に対して、専門的かつ包括的な医療を提供しております。胎児診断から新生児・乳幼児期の集中治療、成長後のフォローアップまで、多職種と連携しながら、子どもとそのご家族に寄り添った診療を行っております。未来を担う子どもたちの健やかな成長を、循環器グループ一丸となって支えていきます。
先天性心疾患においては、胎児エコーの発展に伴い胎児期に診断される症例が多くなっております。胎児期から出生後に生じうる問題点を正確に予測し、適切な対応を取ることを重視しております。また、胎児不整脈に対しては母体への薬物投与も産科と協力の上行っております。
また、成人先天性心疾患患者は全国的に増加傾向にあり、適切な対応が急務となっております。当院は日本成人先天性心疾患学会認定専門医修練施設の連携修練施設となっており、循環器内科・心臓血管外科と協力しながら積極的な診療を行っています。成人先天性心疾患患者の妊娠・出産に対しても、産科と協力しながら管理を行っております。 このように、生まれつきの心臓病を持った患者さんに対しては、最も問題が生じやすい乳幼児期のみならず、胎児期から成人期に至るまで人生のあらゆる場面で適切なサポートを行っております。
インフリキシマブ・シクロスポリンなどの薬物投与や、薬物不応症例に対する血漿交換も積極的に行っております。
小児・成人を問わずに心臓MRIを積極的に撮影し、治療に役立てています。特に複雑な形態をした心奇形や、エコーで評価の難しい右心系の評価などに力を発揮します。
通常のシネMRIや血流測定にとどまらず、perfusion MRIによる冠血流の評価や、T1マッピングによる心筋性状の評価、feature trackingによるストレイン解析など、最新の技術も積極的に取り入れております。
カテーテル治療(バルーン心房中隔裂開術以外)は1988年に肺動脈弁狭窄症に対するバルーン弁形成術が行われたのが最初で、以後継続的に治療を行っております。肺動脈弁、大動脈弁、大動脈縮窄術後再狭窄のバルーン形成術、動脈管や側副血管のコイル閉鎖術などを主に行っております。
循環器外来は、大学病院では月曜日と水曜日(いずれも午前・午後)と金曜日午後に行っております。加えて、以下の地域連携病院でも定期的に循環器外来を実施しております。
当院は小児循環器学会修練施設に認定されており、当院で研修を積むことによって小児循環器学会専門医の取得が可能です。また、成人先天性心疾患専門医連携修練施設にも認定されております。
一方、山形県は人口が少なく、県内では経験できる症例に限りがあります。若手を中心に国内の様々な先進的な施設での研修を積み、偏りなく技術と知識を学び、県内の小児循環器医療のレベルアップを図ることを重視しております。これまで、東京女子医科大学、国立循環器病研究センター、榊原記念病院、長野県立こども病院、静岡県立こども病院、千葉県こども病院などへの国内留学の経験があります。