
先天代謝異常症、内分泌疾患、小児糖尿病などを診療対象としています。新生児マススクリーニング(生後4~6日目の濾紙採血)で異常が見つかった場合も当グループで診療しています。従来の対象疾患に加え、希望者に有償でスクリーニングを行う拡大スクリーニングが山形県でも開始しており、当グループ中心に精密検査を行っています。
当院は内科第三講座糖尿病・代謝内科にご協力いただき、日本内分泌学会の研究指定施設の資格を取得しています。小児科専門医取得後、当院での研修のみで日本内分泌学会 内分泌代謝専門医(小児科)の資格申請が可能です。
先天代謝異常症は、生きていく上で必要な生体反応(糖代謝、アミノ酸代謝など)に生まれつきの異常があることによりおこる疾患群です。疾患により治療は大きく異なります。特殊ミルクによる治療、酵素補充療法も施行しています。以下のような疾患を診療対象としています。
ホルモンの異常により生じる疾患。低身長、二次性徴の早発・遅延、甲状腺機能障害、副腎機能障害、骨系統疾患(生まれつきの骨の病気)、ターナー症候群などの診療を行っています。具体的には以下の疾患を診療しています。
これまで小児の糖尿病は、1型糖尿病が中心でしたが、小児肥満の増加に伴い、大人と同様に2型糖尿病が増加しています。
インスリンを分泌する膵β細胞が破壊されて、インスリンが欠乏することによっておこる糖尿病インスリン補充が必要
インスリンを分泌することはできるが、分泌量が少ないか肥満などでインスリンが働くなっていることによる糖尿病
1型糖尿病の患者様を対象に行っている「山形県小児糖尿病サマーキャンプ」の運営に携わっています。
過去の身長・体重のデータがとても重要です。母子手帳、成長の記録(保育園、幼稚園、小学校、中学校)を予めご用意下さい。また、ご両親の思春期の様子(身長が伸びた時期、初潮の年齢)も参考になりますので、可能な範囲で調べておいて下さい。
近年、悪性腫瘍治療後に時間が経ってから、後遺障害が出ることが知られるようになりました。特に、ホルモンを出す器官は、強い治療に対し抵抗力がないものが多く、ホルモン異常が問題となっています。思春期が来ない場合、低身長などのホルモン異常があるときは、主治医の先生にご相談するか、内分泌専門医にご相談下さい。
山形県の児童・生徒は、文部科学省の統計から全国と比べ、肥満傾向児が多く、かつ肥満になる時期も早いことがことがわかっています。小児期の肥満は、成人肥満につながります。特に、思春期の肥満は70-80%が成人肥満に移行するので注意が必要です。
また、肥満傾向のうち、いわゆる生活習慣病のリスクの高い中等度肥満、高度肥満も多く、大きな問題であると考えています。適切な食事、運動を行い、肥満にならない・肥満を進行させないようにすることが大切です。 学校健診で、肥満のため医療機関を受診するように勧められたときは、必ず医療機関を受診するようにしましょう。