
小児神経グループでは、特にてんかん・先天異常・脳性麻痺(重症心身障がい児)・神経発達症を有する患者さんの数が多く、診療の大きな部分を占めます。大学病院では県内の関連病院と連携し、急性期から慢性期にいたる重症患者を幅広く受け入れています。 特に重症心身障害の方々の栄養・呼吸管理や術前術後管理など、神経疾患にとどまらない一般小児科として全身管理を要する症例にも数多く対応しています。年間120~130名ほどの新患紹介をいただき、その他にも緊急を要する疾患にも随時診療受け入れを行っています。
診療の対象は、てんかん(乳児てんかん性スパズム症候群などの発達性てんかん性脳症)、急性脳炎・脳症、染色体異常症、筋疾患(筋ジストロフィーやミオパチーなど)、低酸素性虚血性脳症といった周産期障害などに伴う重症心身障がい児・者や医療的ケア児・者など多岐にわたっております。また、神経発達症(自閉スペクトラム症、知的発達症、限局性学習症、ADHDなど)のご紹介もいただいており、山形県立こども医療療育センター医師の診療支援を受けて対応しております。また公認心理士を配置し、各種心理検査を中心に実施しています。
てんかん診療においては、てんかん専門医が在籍しており、長時間ビデオ脳波による発作症状の評価、画像検査を併用して治療方針の決定を行っております。てんかん外科も重要な選択肢であり、主に東北大学病院と連携して焦点切除術や脳梁離断術を行ったり、迷走神経刺激療法(VNS)を導入して当院で調整を行ったりする方も増えてきております。
また、臨床遺伝専門医によりジストロフィン異常症や染色体異常症、アンジェルマン症候群、副腎白質ジストロフィー、脳クレアチン欠乏症、ミトコンドリア病などに対する遺伝カウンセリングを行っています。遺伝性疾患の病態や家系内における遺伝などの説明について、ご希望がございましたら、大学病院遺伝カウンセリング室へご連絡をいただければと存じます。
また、当院には「山形県医療的ケア児等支援センター」が設置され、当グループ医師がスタッフを兼任しており、相談支援業務や研修会の企画運営、実態調査などの事業を推進しています。