プログラムの全体像と到達目標

山形大学の小児科専門研修プログラムは、「子どもの総合医」を基本姿勢とし、優れた小児科専門医を育成することを目的としています。3年間の研修を通じて、新生児期から思春期までの幅広い知識と、以下の5つの資質を備えた専門医を目指します。
- こどもの総合診療医
- 育児・健康支援者
- 子どもの代弁者
- 学識・研究者
- 医療のプロフェッショナル
3年間で目指す経験目標
日本小児科学会が定める到達目標に基づき、専攻医は「小児科専門研修手帳」を用いて自身の成長を確認しながら、以下の経験を積みます。
- 経験すべき症候:33症候のうち8割(27症候)以上
- 経験すべき疾患:109疾患のうち8割(88疾患)以上
- 習得すべき診療技能と手技:54技能のうち8割(44技能)以上
具体的な研修内容
専攻医一人ひとりが着実にステップアップできるよう、体系的な研修計画と充実した環境を用意しています。
年次別研修計画
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1年次
小児科医としての
基礎固め連携施設にて、感染症やアレルギー疾患といったCommon diseaseを中心に研修
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2年次
専門領域と
新生児医療の探求基幹施設(大学病院)で各専門グループをローテーションNICUで新生児医療を研修
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3年次
高度医療の実践と
リーダーシップの涵養難治性疾患などの高度医療を深く研修
2年次、3年次を通して大学病院の各グループおよびNICUをローテートします。
充実した研修施設群
連携施設である山形県内の中核病院と緊密に連携し、地域医療から最先端医療まで幅広く学べる体制を構築しています。
| 役割 | 施設名 |
|---|---|
| 基幹施設 | 山形大学医学部附属病院 |
| 連携施設 | 山形県立中央病院 山形市立病院済生館 山形県立新庄病院 米沢市立病院 公立置賜総合病院 日本海総合病院 鶴岡市立荘内病院 済生会山形済生病院 山形県立こども医療療育センター |
日々の研鑽と学術活動
日々の診療に加え、カンファレンスや研究会を通じて常に知識をアップデートします。また、専門医資格の受験条件として、査読制度のある雑誌に小児科に関する論文を筆頭著者として1編以上執筆することが求められます。指導医のサポートのもと、研修中から研究・執筆活動にも取り組みます。

評価とサポート体制
専攻医が安心して研修に打ち込めるよう、公平な評価制度と手厚いサポート体制を整えています。
公平で多角的な評価制度

指導医による日々のフィードバックや年2回の診療能力評価(Mini-CEX)に加え、専攻医自身による自己評価、看護師など他職種からの360度評価(年1回)を組み合わせ、客観的に成長を確認します。
安心して研修できる就業環境

専攻医の心身の健康に配慮し、勤務時間が週80時間を超えないよう管理するなど、適切な労働環境を整備しています。専攻医からのフィードバックを基に、継続的な改善も行っています。
多様なキャリアパスへの対応

サブスペシャリティ領域との連携
小児神経、循環器、血液・がんなど、多彩なサブスペシャリティ領域の専門研修へスムーズに連携できるよう配慮しています。
カリキュラム制(単位制)による柔軟な研修
出産・育児、介護、あるいは他科からの転向や義務年限のある医科大学卒業など、さまざまな事情でフルタイムのプログラム制研修が困難な医師のために、個々の状況に応じて研修計画を立てられる「カリキュラム制」も用意しています。最大10年間で専門医資格の取得を目指すことが可能です。
小児科専攻医プログラムの詳細については以下を参考にしてください。
ご案内・お問い合わせ
以下よりご確認ください。
